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ブルガリア語を覚えていくうちに感じたこと

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アルファベット

ブルガリアに来てみたものの予想以上に英語が通じず、簡単な言葉だけでもブルガリア語で話せないと日常で困るのでちまちま覚えていっています。

外国人観光客を想定した観光地や携帯ショップ、宿泊施設には大抵英語を話せる人がいますし、若い人は比較的少し話せます。ただ、それ以外の場所ではまず英語が使えません。英語で訊ねてもブルガリア語で返ってきます。
高齢者には旧ソ連時代の教育の名残でロシア語が通じることがあるそうですが、40代くらいの人以下だとロシア語は通じませんでした。

ブルガリアの人々の反応は大体似通っていて、まず私が近づくと「うお、外国人来た。困ったな…話しかけられたらどうしよう…」という緊張した雰囲気を出されます。

でも私がブルガリア語を発すると一気に顔をほころばせ、こんな外国人がブルガリア語を話そうとしているのが微笑ましいのかニコニコとしてくれる人が多いです。意思疎通できると「グー」と親指で表現してくれる人もいます。

買い物の時に値段をブルガリア語数字で伝えられると頭の中での処理に時間がかかるので、そんな私を見かねてレシートの数字を見せてくれたり紙に書いてくれたり、指で数字を示したり電卓に数字を打ち込んで見せてくれる人もいます。

でもこれには少し困ったこともあって、最初にブルガリア語で話しかけると向こうは安心してブルガリア語でガンガン返答をしてくるので理解できないまま会話が進んでしまいます。
宿泊先の一家に「え、ブルガリア語話せるの?」と驚かれたこともあるのですが、「いや、違うんやこれは。ブルガリア語じゃないと通じないから最低限の語彙で伝えているだけで、決して話せるわけではないんや…」と毎回自分の中で葛藤しています。

ブルガリア語だけの生活

ここでは「OK」や「Hi」といった英語すらほぼ全く耳にしません。敢えてカタカナで音を書くと「OK」は「ドブレ」、「Hi」は「ズドラーヴェイテ」です。

ブルガリアの人々は本当によく電話で誰かと話しているのですが、その時に彼らが発するのは大体「ダ」と「ドブレ」です。
すごい人は「ダーダーダー」を超えて「ダダダダダ、ダダダ」という風に相槌を打ったりもしています。日本語の「うんうん」に相当するのかもしれません。

ここまで徹底してブルガリア語一色の社会なので、ブルガリア語知識がほぼゼロで来た私がここで生活をするためにはブルガリア語を覚えるしかありませんでした。

例えば挨拶などは本当にどこでもよく耳にするので、小さい子供のように音を真似しては繰り返し練習し、実際に使ってみて、自然と覚えていきました。
「ここ」という意味の「トゥカ」も、いろいろな人が口にするので結構早い段階で覚えました。

また、他にはブルガリア語アプリや教材、Google翻訳で様々な会話表現や単語を調べたりもしています。
その際、ブルガリアで高等教育を受けたり就職する予定はないので「文字で書けなくてもいい」と割り切り、文法などの細かいことは一旦脇に置いて音だけで覚えていっています。ブルガリア語はマイナー言語なのかGoogle翻訳には発音機能が無いのが唯一残念です。

ソフィアで外国人向け語学学校に通うことも考えました。
ただ、その場合受講期間が10週間のように長期間なのでブルガリア国内を転々とする私には不向きだと思ったこと、また、長期的に滞在する予定がないにも関わらず数万円の講座代を支払うことに気が引けたこともあり、結局独学のままです。

ブルガリアに来て3週間程度ですが、気付けばそれらをその都度色々組み合わせて日常の簡単なやり取りならブルガリア語でできるようになっていました。そのため、時には色々な場所で人と関わったのに外で一度も英語を発しなかった日もあります。

念の為ですが私のブルガリア語は現地の1~2歳の子供以下のレベルなので複雑なことは分かりませんし伝えられません。

文法なんてきっと滅茶苦茶でしょうし、発音もネイティブからしたら聞き取りにくいと思います。
それでも、場所が分からなければ人に聞く必要がありますし、知り合いもいないのであらゆることを自力でするしかありません。間違って恥ずかしい気持ちよりも、「自力でなんとかせねば」という焦燥感の方が上回っています。

子供が言葉を覚える時の気持ちに近いかも

ブルガリア語はキリル文字表記なので、文字通り発音すればたとえ意味が分からなくても読むことはできます。そのため、小売店で何か食べ物を買いたい時は値札の商品名通りに読み上げることで事なきを得ています。

また、私はずっとブルガリア現地通貨換算で家計簿をつけているのですが、スーパーで買い物をする度ブルガリア語表記のレシートを翻訳しつつ商品ごとに値段を入れていっていたせいか、自分がよく買う「パン」や「ヨーグルト」「チリソース」といった食品の文字を勝手に覚えてきました。
「書いて」と言われるといちいち頭の中でキリル文字変換しないといけないのでかなり時間がかかると思うのですが、目で読むことはできます。

このような過程を経ていることで、言語を覚えていく子供はこういう風に感じているのか、と少し感動しました。

私は人々が話すブルガリア語の言葉の大半は理解できませんし、目にする文字も理解できません。でも、自分の語彙が増えるのに従い伝えられる表現も増え、自分の言葉が人々に伝わり会話が成り立ち始めたことに日々達成感や喜びを感じています。

また、子供目線といえば子供特有の言い間違いにも納得しました。私も最初「Excuse me.」に相当する「イズヴィネーテ」を「ダズヴィネーテ」と聞き間違え、恥ずかしいことに何度かそれを人々に口にしていました。
その後にアプリで正しい発音を覚え、今は直っています。恐らくこれは通常の子供なら周囲の大人達から「それは違うよ。正しい言い方はこっち」と正される過程を経て矯正されていくんでしょうね。

その際、自分が耳にする言葉が多いほどそれを覚える機会も増えるので、大人が正しい言葉で子供に話しかけることの大切さも実感しました(私の場合の先生は人間ではなくアプリや教材の音声なのですが)。

自分が思っていることを言葉で表現できず相手に理解してもらえないというのは、自分の頭の中で渦巻いている気持ちを放出できないので結構ストレスが大きいです。
子供が自分の語彙が少ないせいで気持ちを伝えられず、「何で分かってくれないの」と泣いたりぐずったりするのはこういうストレスに対処できない結果なのかもしれません。

その時に「どうしたいの?」「これが欲しいの?」というような助け舟を出してもらえれば、語彙が少なくてもなんとか自分の意志を伝えられます。子供は自分の気持を伝える言葉を知らないだけで、実際には伝えたいことは多いんだろうなと想像しました。

英語が通じる&アルファベット表記の環境なら私はこんな感動を味わえなかったはずです。
ブルガリアで過ごすうちに、小さい子が新しく覚えた音を何度も一生懸命発音してみたり、平仮名を覚えたばかりの子供が看板に書いてある言葉を取り敢えず読んでみたりする気持ちが分かりました。自分の世界が広がっていくのが嬉しいんです。
同時に、もし将来自分が子供を持った時には自分が実際にブルガリアで四苦八苦した時の気持ちを思い出そうと思いました。

ブルガリア語学習に使っているアプリ

色々なアプリをDLしては使ってみて、初心者の自分に1番合うと感じたのは「Bulgarian Fun Easy Learn」でした。シチュエーションによって様々なフレーズを音声とともに覚えられ、確認テストなども使いやすいので気に入りました。

チャットタイプで学べる「Learn Bulgarian Language with Master Ling」もいいと思ったのですが、レビューで「誤りが多い」という意見を目にしたので使うのをやめました。

ブルガリア語学習に良いなと思ったサイト

以前エストニアにワーキングホリデーすることを考えていた時、エストニア語を少し勉強していこうと思い立ったことがあります。ただ、知名度が高くない国のためか、語学学習用素材がなかなか見つかりませんでした。

その時に見つけたのが、無料で世界各国の言語を学べるサイト「Loecsen」です。英語やロシア語、スペイン語という主要言語はもとより、エストニア語やヘブライ語、消滅の危機に瀕しているブルターニュ語などの基本表現を音声付きで学ぶことができます。

「loecsen」のTOPページ

このサイトに再び行ってみると幸いブルガリア語もありました。日常の必須表現から数字、簡単な会話フレーズを口に出して学べるので、便利です。
実際に日常を送る上でまず必要なのは「これを1つください」とか「~までの切符をください」のような基礎表現なので。

ブルガリア語の必須表現例

ブルガリア語で興味深いこと

ブルガリア語はロシア語と同じものや似ている表現もあったりしますが、ほぼ別物です。

面白いなと思ったのは「ありがとう」と「すみません」の非公式の言い方がフランス語とほぼ同じ表現(それぞれブルガリア語で「Merci」「Pardon」)だったことです。
昔のロシア貴族はフランス語を話していたためロシア語にはフランス語由来の言葉が多いそうなのですが、旧ソ連国だったブルガリアも何か影響を受けたのでしょうか?素人なので分からないのですが。

最初、「Благодаря(blagodarja):ありがとう」をなかなか発音できませんでした。慣れない音が多くて発音が難しかったためです。ただ、何度も何度も使っていくうちに自然と口に出せるようになりました。
上記を言えなかった最初の頃は代わりに”Merci”を使ったりもしていました。”Merci”は比較的女性が使っているような気がします。

また、人々はなぜか「Bye」の際に軽い感じで「Ciao」というイタリア語をよく使っていますね。でも観光施設では「Ciao」よりは正式な「ドヴィージダネ」の方をよく耳にします。「Ciao」は結構くだけた表現なんだと思います。

終わりに

私はどこかの国に行くときはいつも、少なくとも「Hello」と「Thank you」に相当する言葉だけでも口にしてきました。
もし自分が逆の立場だった場合、最初から最後まで英語で話しかけてくる外国人と、現地語を少し混ぜてコミュニケーションを取ろうとしてくれる外国人となら、後者の方がその国の文化を多少なりとも理解しようとしている姿勢が分かって好印象に感じるためです。

ただ、ブルガリアでは今まで行ったことのある非英語圏の国(台湾、タイ、フィンランド)とは比べようもなく現地語が求められているのでこれは初めての体験です。

果たしてこの90日間で多少はブルガリア語を理解できるようになるのでしょうか?
時間だけはあるので気ままに覚えていきます。