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アルメニアで結婚式の1シーンを目にした時のこと

花

アルメニアに来て2週間目。ここでは人々がそれぞれ好きなように過ごしているせいか、もしくは気温が高いせいか、時間がゆったりとしていて居心地がいいです。

今日、偶然にもアルメニア人の結婚式の様子を垣間見ることが出来ました。その時のことをつらつらと。

現在は首都エレバンから3km離れた地域のゲストハウスに滞在しています。このゲストハウスは集合住宅の1階にあるので、外に出ると住民や近所の人達が散歩したり遊んだりしているのを1日中目にします。

ゲストハウス入口の景色。アルメニアでは洗濯物はリールに干している
集合住宅の裏側。子供達が遊ぶ声がよく聞こえる
近所の人が柵に絨毯を干していた

結婚式

正午頃、数台の車から発せられるものすごいクラクションの音が外から聞こえてきました。
ブルガリアとセルビアで散々クラクションを聞きまくってきた私は「また地元の若者が騒いでるのか、もしくは交通マナーが悪い車が渋滞でも引き起こしてるのか」と最初はうんざりしていたのですが、なぜかそのクラクションの音が道路を外れてどんどんこっちに近付いてきていたんです。

その少し後、窓から外を見ると楽器を持った男性達が集まっており、彼らは窓のすぐそばで演奏を始めました。そして聞こえる人々の歓声とざわめき。

大道芸人でも来ているのかと思ってゲストハウスのオーナーに訊ねたところ、「ここの集合住宅に暮らす誰かの結婚式が行われている」ということが分かりました。
外に出てみると、スーツとドレスに身を包んだ新郎新婦が大勢の人々に囲まれて集合住宅に入っていくところで、演奏の終盤でした。
そして、傍にはその様子を眺める近隣住民や近所のパン屋のおばちゃん達の姿が。

一旦全て収まったようだったのでゲストハウスに戻りました。オーナーの男性曰く、アルメニアの結婚式では毎回こういう風に家の前で音楽隊が演奏し、その後は教会やらレストランやらあちこちに移動して祝いまくるそうです。なんとも盛大な…

新郎新婦が集合住宅に入っていった間、参列者の一部は外で待っているようでした。
女性陣は綺麗なドレスを着て髪の毛もカールさせてメイクもバッチリしていたのですが、多くの男性陣は長袖シャツにズボンというラフな格好でした。
女性陣がめちゃめちゃ気合を入れるのはどこでも同じなのかも。

数十分後、またもや外がざわざわしてきたので「今度こそ!」と私はもう一度外に飛び出しました。
そこに広がっていたのは、赤ちゃんから高齢者まで大勢の近隣住民が結婚式の様子を見るために集まっていた様子。
みんな今まで自分がしていたことなど放り出して再びわざわざ集まってきていたんです(もちろん、パン屋のおばちゃん達も)。
集合住宅をふと見やると、色々な階の住民達が窓を開けて結婚式の様子を今か今かとばかりに待っていました。

窓から階下を覗く住民の人々
新郎新婦が出てくる時に備えて準備する音楽隊とカメラマン

そうしているうちに、再び音楽隊が集合住宅の入口で演奏し始めると新郎新婦が現れました。その後からは親戚一同がぞろぞろと続き、音楽に合わせて歓声を上げながらめいめいに踊り出しました。

まず最初に円陣の中心で踊り始めたのは新郎の祖母らしき女性です。青いドレスを纏った彼女の独壇場の後、彼女は新郎の頬を大切そうに両手で包んで頬にキスしていたので、その女性の喜びが伝わってくるようでした。

中心で踊るおばあちゃん

その後は女性を中心に子供から大人までみんな自分の好きなように踊り出し、男性陣の口笛やら手拍子やらも加わって楽しい雰囲気になりました。とにかくみんな踊る踊る。

アルメニアの結婚式は盛大なことで有名らしく、かつては7日7夜かけるとされていた伝統も今では薄れているものの、現在でも結婚式に1~2日費やすほど豪華だそうです。新郎の実家と花嫁の実家の両方で参列者がそれぞれ踊って祝うようなので、この時は恐らく新郎側だったんだと思います。

楽しそうに踊る人々。
左端に見切れているのはパン屋のおばちゃんの腕

この時の人々の踊り方は手を高く上げて手の平をくるくる回すような動きで、子供の頃から体が覚えているといったような自然なものでした。
無意識のうちにその国の固有の文化(ここではダンス)を表現できる人々の様子を見ると、彼らの中に生きている文化の豊かさに目を奪われます。

ひとしきり踊った後に新郎新婦は車に乗り込み、どこかに向かっていきました(順番的には花嫁の実家かな?)。その間もずっと参列者の車が数台でクラクションを鳴らしまくっていたので、あのクラクションの大合唱は「祝福の表現」のようです。
追記:この日の24時や25時頃にドレス姿の参列者達が集合住宅に帰ってきたので、彼らはそんな遅くまでずっと祝い続けていたのかも。

賑やかで盛大な結婚式が終わると、近隣住民は三々五々にそれぞれの場所に戻っていきました。
あの一瞬の、全てが祝福ムードに包まれた非日常的な高揚感は素晴らしかったです。ああやって見ず知らずの人々までも集まってきて大勢で祝う、という雰囲気はいいですね。

アルメニアの結婚式の披露宴の一例

4人組の男性が踊るのが特徴的ですね。それにしても予想以上に盛大でした…
「Armenian wedding」とyoutubeで検索すると色々な動画を見ることができます。とにかく規模が凄まじいです。
個人的には、祝い事を大勢で盛大に楽しく祝って祝って祝いまくる文化はとても好きです。

アルメニア人の結婚式当日のことを書いた記事「How to Survive an Armenian Wedding」によると、参列者は結婚式では盛大に食べて、乾杯して、他の参列者と一緒に伝統的なダンスを踊りまくることを覚悟しておく必要があるそうです。「その場にいる人とにかく全員参加!」という感じなのかな。

終わりに

民家の前にたわわに実っていたブドウ

今のところ、私はアルメニアがとても気に入っています。日差しが強くて常に晴れているせいもあるのか、人々が明るくて伸び伸びと過ごしている感じがするんです。
そんな場所で誰かの幸せ絶頂な結婚式の様子も見ることができたのは幸いなことでした。

街をあてどなく歩き回るだけでも晴れ晴れとした気持ちになるので、恐らくアルメニアには4ヶ月間は滞在すると思います。

首都のエレバン市内中心部