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ブルガリアからセルビアにバスで国境越えした時のこと

ブルガリアでの無査証滞在可能期間(90日間)の終了目前にバスでブルガリアの隣国・セルビアの首都ベオグラードに向かいました。かかった時間は合計6時間。
陸路での国境越えは初めてだったので好奇心があったのですが、予想よりもすんなりと終わりました。

セルディカ・バスステーション(アフトガーラ・セルディカ)へ

私はブルガリアの首都ソフィアから越境しました。
ソフィア中央駅の隣に2つのバスターミナルがあり、立派なビルがある方はブルガリア国内用、一見ただの停留所に見える方が国際用「アフトガーラ・セルディカ」です。
※автогара:”バス停”という意味、cердика:ローマ帝国時代のソフィアの名前。現在はソフィア市街地一帯の地域名

国際バスターミナルからはブルガリアの隣国であるトルコやギリシャだけでなく、ドイツやオランダ行きのバスも出ています。

ブルガリアの国際バスセンター
国際バスターミナルの入り口。すぐ後ろにソフィア中央駅がある
各国行きバス会社

セルディカ・バスステーションへのアクセス

セルビア行きのバスチケット購入

乗車チケットは事前にネットから購入していました。「from sofia to belgrade」と英語で検索し、真っ先に表示された「Rome2rio」サイトから「Karat-S」社のWebサイトに遷移した後、そこでクレジットカードで予約しました。

この「Rome2rio」はヨーロッパ圏のバスや電車、タクシーや飛行機という交通手段を一覧表示してくれるので非常に便利です。ブルガリアで各地を移動する際はほとんどこのサイトを使っていました。
バス会社がチケット予約サービス「Omio」と提携している場合は「Rome2rio」から遷移できるので、そこからチケットを購入できました。

Rome2rioのページ
Rome2rioサイトの検索結果ページ
緑色のチケットマークが表示されていればこのページからチケット購入サイトに遷移可能
Karat-S社のサイト

Omio:ヨーロッパ交通予約サイト」はスマホアプリもあって便利です。
ブルガリアの大きな都市ではこのサイトを通じて長距離バスの予約をしていました。

余談

ブルガリアでは今回のように常にバスがネット予約できるわけではなく、地方都市では窓口でしか購入できない場合の方が多かったです。
また、ネット上の時刻表と実際の時刻表が一致していない場合や、そもそもネット上にバスの情報が無い場所もあったので、「窓口で購入する」が確実だと思います。窓口では基本的にクレジットカードは使えないので、現金(ブルガリア国内移動ならチケット代は3BGN~20BGNくらい)を持っていた方が便利でした。

この「Karat-S」社のチケット購入後はメールにチケットのPDFが届いたのですが「乗車前に印刷しておくこと。印刷していない場合は乗車不可」と注意書きがあったので、印刷店でプリントアウトしてもらっていました。
事前に印刷しておいたことは国境越えの時に役立ちました。

この時の関連記事

セルビア行きのバスへ

「Sofia→Belgrade」と書かれたミニバスが今回のバスでした。
国境越えなので修学旅行バスのような大型バスかと思っていたら「ちょっくら隣町へ~」のようなちっちゃいバスだったから意外。
20人くらいが乗れるサイズで、この時は土曜日だったこともあるのかほぼ満員でした。

定刻通り、朝9時ちょうどに発車しました。どこでもそうだったのですが、ブルガリアの長距離バスや電車の発車時刻はかなり正確です。

ブルガリアからセルビアへ国境越えした時のミニバス
ブルガリアからセルビアへ国境越えした時のミニバス
今気付いたけど、セルビアナンバーの車だったんですね
バスの窓からの眺め
広大な農地

ブルガリア~セルビアの国境越え

出発から1時間後、国境に到着しました。
国境検問所は高速道路の料金所のような見た目で「一般乗用車ゾーン」と「越境バス・輸送物ゾーン」に分かれており、ごつい運送会社トラックや大型バスに囲まれながら私達のちっちゃいミニバスも一緒に並びました。

ブルガリアからセルビアに国境越えした時は以下の手順で進みました。

  1. ブルガリア側でバスから降車し、「出国」スタンプを押してもらう
  2. バスに乗り込み、セルビア側へ移動
  3. セルビア側でバスから降車し、「入国」スタンプを押してもらう
  4. 再びバスに乗り込んで発車

1.ブルガリア側でバスから降車し、「出国」スタンプを押してもらう

国境警備員の女性がミニバスの荷物をざっと見た後、バスに乗り込んできました。その時に私が日本人だと気付いた運転手の男性はバスチケットの紙とパスポートを見ながら何か紙に書き込んでいました。
※外国人にはバス乗車時にこの確認をするようなのですが、この時の運転手はなぜか私をブルガリア国籍と思ったのかスルーしていたので(中国系ブルガリア人だと思ったのかもしれない)、国境検問所直前でこの確認をすることになったのだと思います。

「みんな降りてくれ~」という運転手の声の後ぞろぞろとバスから降りていき、チケット売り場のような箱に入った国境警備員にパスポートを見せました。
ソフィア国際空港で押された入国スタンプは「飛行機」マークだったのですが、今回は陸路で出国のためか「車」マークでした。陸路だとスタンプが違うんですね。

枠の左上に「BG」とあるのがブルガリアの入出国スタンプ

2.バスに乗り込み、セルビア側へ移動

乗客全員が出国できた後は再びバスに乗り、数百mくらい先のセルビア側検問所へ向かいました。ブルガリアから出国し、セルビアに入国するまでのあの空白ゾーンは一体「どこ」の国なのでしょうか…

3.セルビア側でバスから降車し、「入国」スタンプを押してもらう

今度はセルビア側でまた降車し、入国理由など何も聞かれずに無言で「入国」スタンプを押されました。
ブルガリアからセルビアに入国する際はPCR検査の陰性証明書が必要とあったのでそれも持参していたのですが何の確認もされませんでした。空路移動時のみ確認されるのか、場所や警備員によるのかは分かりませんが。

のどかなブルガリア側の検問所とは異なり、セルビア側はピストルを腰に携えた警備員達が物々しい格好で歩き回っていました。

ここで突然モロッコ人男性の荷物検査が始まったので、他の乗客達はその間ぼーっと外で待っていました。
その男性はバッグの中身からタバコまで全て机の上に出されていたので「なぜあの男性だけやけに厳しく荷物検査されているのか」とブルガリア人女性に訊ねたところ、彼女も理由は分からないと言っていました。彼女曰く、「自分と夫がフランスに行った時も、自分だけ荷物検査されたことがある。外国人だと時々こういうことがある」そうです。

4.再びバスに乗り込んで発車

ブルガリアとセルビアの国境検問所を通過するまでに30~40分くらいかかりました(荷物検査の時間含む)。個人的にはセルビア入国が不安だったので何事もなく済んで良かったです。

セルビア入国後

その後は5時間かけてセルビア国内を北上していきました。市街地に入るまではのどかな農地が広がっています。

また、ブルガリアとセルビアは-1時間の時差があるのでセルビア入国後にスマホの時間が1時間戻りました。
※バスチケット購入時には「9:00発車→14:00到着」表記だったので5時間かかると思っていたのですが、時差を含めると実際には6時間の移動時間でした。

セルビア郊外の広大な農地

サービスエリアで休憩

サービスエリア店内

ソフィアを出発して4時間後、初めての休憩(30分間)がとられました。
トイレや軽食、コンビニのような店があったのでみんな思い思いに何か買って食べます。

ただ、ここでの通貨はセルビアの「ディナール」だったので、ブルガリアの「レフ」しか持っていなかった私はクレジットカードで支払いました。
空港ならその場でいくらか両替できますが、陸路で国境越えする時は可能なら事前に現地通貨を用意していた方がいいのかも、と思いました。

余談:ブルガリアとセルビアの喫煙率

また、喫煙率が高いにもかかわらず屋内喫煙が厳禁のブルガリアでは人々は外でしかタバコを吸っていなかったのですが、セルビアでは屋内喫煙がOKらしくこのサービスエリア店内には灰皿があり、タバコを吸っている人もいました。

ついでに以下はブルガリアとセルビア、日本における15歳以上の喫煙率です。

国名男性の喫煙率(%)女性の喫煙率(%)
ブルガリア40.5028.10
セルビア38.3036.90
日本31.108.60
WHO集計の各国における15歳以上の喫煙率統計(2000~2018年)

参考ページ:世界の喫煙率 男性 国別ランキング・推移世界の喫煙率 女性 国別ランキング・推移

ブルガリアはとにかく老若男女の喫煙率が高いので、外を歩いていたら都市圏だろうが田舎だろうがどこでも必ず結構な数の喫煙者がいます。

市街地を歩き回った時の個人的感覚で言えば、ブルガリアの首都ソフィアで7人/10人の喫煙者がいるとするとセルビアの首都ベオグラードでは1人/10人くらいだと思うのですが、上記の統計で男女両方から見るとセルビアの方が高いですね。

セルビアのバスターミナル

セルビア時間の14時にバスターミナルに到着しました。

セルビアのバスターミナル

バスターミナルにトイレはあったものの有料だったので、現地通貨を持っていなかった私は諦めました。

バスから降りてすぐ右側にタクシー乗り場(壁にTAXIと書いてある所)があるのですが、自力で移動したい場合は左側から出ていきます。
大勢の乗客が左側に歩いていくので、彼らについていけば市街地に出れます。

TAXIの呼び込みをしまくるおっちゃん達

セルビアの中央バスターミナルのアクセス

終わりに

無事に陸路で国境越えできてよかったよかった。

ふと思ったけど、英語で「外国」を”abroad”以外に”oversea”とも呼ぶのはイギリスが島国だったからなんかな。日本も島国なので「外国旅行」よりも「海外旅行」という言い方のほうが一般的だけど。
もしこれが陸に囲まれた国の場合は「土地外」のような単語もあったりするのかな。

セルビアに関する書籍

道中バスの中で読んでいたルポルタージュ本です。セルビアとコソボの血で血を洗う紛争について双方の目線から記されています。
実際にベオグラード市街地を歩いている時、享年年月がほぼ同時期の数十人の若者の写真が載った抗議垂れ幕を目にしたことで、20年経っても消えないセルビア人の拉致・失踪・殺害事件の爪痕を感じました。