エストニアに行こうかな

エストニアの街並み

現在はコロナで国をまたぐ移動が極度に制限されており、旅行や留学も難しいです。頼みの綱だった台湾も1/1以降は外国人の入国を禁止したのでワーキングホリデービザをいつ再び申請できるようになるのか不透明です。
昨晩「ワーホリ準備の進捗」で台湾へのワーキングホリデーのための準備を書いた後、もし台湾に行けなかった場合を考えて現在もワーキングホリデーに行ける国を調べたりしました。

2021/01時点での日本とのワーキングホリデー協定国は以下の26か国です。年齢制限には例外もありますが基本的に18~30歳の人なら1回/国、特定の期間自由に滞在可能になります。

英語圏の国はまだビザ申請できないのですが、「その他の協定国」グループの一部の国は申請できることが分かりました。
その時にアイスランドも考えたのですが「26歳まで」という年齢制限があったので諦め、「エストニアに行けばフィンランドでも過ごせるのでは?」と思いついたのでエストニアを第一候補としました。

閑話休題:他国のワーキングホリデー協定国状況

Which Countries Offer Working Holiday Visas?」によるとこの記事が書かれた2019年時点で1番協定国が多いのはニュージーランドとオーストラリアで、次がカナダとイギリスだそうです。例えばニュージーランド人ならワーキングホリデービザで以下の国に行けるそうです。マレーシアやタイ、フィンランドやイスラエルといった国までカバーしています。
※この引用元の記事は2019年に書かれたものなので2020年に日本との協定国に追加されたオランダやエストニアは含まれていませんでした。そのため、他国の協定国も情報が古いと思います。

Argentina, Hong Kong, Philippines, Austria, Ireland, Poland, Belgium, Israel, Portugal, Brazil, Italy, Singapore, Canada, Japan, Slovakia, Chile, Korea, Slovenia, China, Latvia, Spain, Croatia, Lithuania, Sweden, Czech Republic, Luxembourg, Taiwan, Denmark, Malaysia, Thailand, Estonia, Malta, Turkey, Finland, Mexico, United Kingdom, France, Netherlands, USA, Germany, Norway, Uruguay, Hungary, Peru, Vietnam.

引用元:Which Countries Offer Working Holiday Visas?

ワーキングホリデーとしてのエストニア

エストニアは2020/03に日本とのワーキングホリデー協定国になったばかりの国です。調べてみると現在も日本から入国可能でした。
ただ、駐日エストニア共和国大使館のサイトに行くと首都圏でのコロナ感染拡大を受けて来月の2/7までビザ申請受付を停止していることが分かりました。いやはや、今度はこうして事前に申請可否を調べられたので台湾の時の失敗が活きましたね…

協定国になった直後にコロナ禍に陥ったのでエストニアのワーキングホリデーに関する情報は現時点でネット上にほぼ無いと言っても過言ではないほどなのですが、幸いなことにビザ申請について詳細に記載している記事「エストニアのワーホリVisa取得までにやったこと全部書く(2020年7月版)」を見つけました。

基本的に台湾のワーキングホリデービザ申請と同じようですが、異なるのは面接があるということですね。面接は英語かロシア語かエストニア語で行われるそうです。おお~面白いですね~!
ロシア語は「スパシーバ(Спасибо)」「ハラショー(хорошо)」くらいしか知らないのでその際は勿論英語で受けます。

ワーキングホリデー期間

viking lineのフェリー
エストニアのタリンとフィンランドのヘルシンキを結ぶフェリーの一つ「Viking Line」

エストニアとフィンランドはフェリーで2時間、飛行機で30分ほどという距離なので「フィンランド旅行の際にエストニアのタリンに寄る」というコースも一般的なフィンランド旅行の定番になっているほどです。

私はフィンランドにいつかまた行きたいと思っていたものの、自分の中で次第にヨーロッパよりもアジアの方への関心が強まるのに伴いその気持ちも薄れていっていました。
海外に行くと否応なしに自分がアジア人であることを意識しますが、フォンランドではアジア人はマイノリティであるため尚更疎外感を感じました。勿論これは私が感じた印象なので中には疎外感なんて全く感じない人もいると思います。
一方で台湾やタイのように見渡すと大体自分と似た顔つきの人が多い国では安心できました。加えて、私自身が大雑把な性格のためかフィンランドの静謐な雰囲気よりも台湾やタイの熱気と喧騒に満ちた雰囲気の方が自然体でいられる気がしたので「長期滞在するならアジア圏がいいな」と思うようになっていったのです。

台湾へのワーキングホリデーを決めた際「再びあの雰囲気を味わえる」と思うとわくわくしたので年明けから色々準備してきましたが、イギリス発の亜種コロナウイルス感染報告例が増えている現在、今まで大して対策をしてこなかった国ならいざ知らず、世界で最も効果的にコロナを抑え込んだ優秀な国である台湾がそう易々と制限を緩めるとは思えないのです。
日本政府の愚策により日本における感染拡大は止まらないので、いくら世論が強い台湾であっても日本からの入国には慎重になるのではとも少し予想しています。
ただ、私は一刻も早く日本を出たいので台湾へのワーキングホリデービザ申請ができないからと言って気長に申請受付再開を待つつもりはありません。現時点で行ける国に行きます。

エストニアのベストシーズン

エストニアはフィンランドやロシアと隣り合わせの北国です。そのため、5月~9月頃が過ごしやすい気候のようです。夏は白夜の影響で23時頃まで明るいことも北国の特徴だと思います。10月からは半年間、曇天と低気温の日々が続きます。

参考ページ:「タリン、エストニアにおける年間の平均的な気候

台湾のベストシーズン

反対に亜熱帯地域の台湾の5月~9月頃は最も暑く、台風や豪雨が多い雨季です。そのため10月~11月頃が過ごしやすいそうです。

参考ページ:「台湾の気候は?旅行のベストシーズンやおすすめの服装を解説!

エストニアのワーキングホリデービザの期間は1年間です。そのため、エストニアと台湾の気候を考慮して3月~9月頃まではエストニアでまず過ごし、その頃に台湾へのワーキングホリデービザ申請受付が再開していれば日本に一時帰国して台湾へのビザ申請をしようと思っています。それが可能であるなら10月~翌1月頃まで台湾でワーキングホリデーをする予定です。台湾は90日間以内の滞在ならビザは不要ですが現在個人旅行としては入国できないのでワーキングホリデービザ保有者としての入国を考えた次第です。
もしその頃も依然として台湾へ渡航できないようであれば、翌1月まで引き続きエストニアで過ごす予定です。

エストニアでしたいこと

エストニア各地の旅行

海外で現地の電車やバスに乗ることが好きなのでエストニアでも公共交通機関で各地を回ってみたいです。エストニアといえば中世の街並みを残したタリンが有名ですがそれ以外の場所にも行ってみたいですね。

フィンランドへの短期旅行

前回はオーロラを見るために真冬の2月に行ったのですが、森や湖が豊かなフィンランドの夏は特別美しいと聞いていたので図らずしてその季節に訪れる機会を手にできるかもしれないことが嬉しいです。

フィンランド語の勉強

エストニアの公用語であるエストニア語は同じウラル語族に属しているフィンランド語とは似て非なるものなので、エストニアで生活する際にフィンランド語に触れる機会はあまり無いと思います。ただ、フェリーで2時間の距離にあるフィンランドを訪れる際に使えるようにフィンランド語を勉強しておきたいです。以前フィンランド語を少し勉強していたので基本的なフレーズや日常の語彙程度なら分かりますが再び勉強できるのは良い機会です。

英語かエストニア語の勉強

エストニアには英語学校も多いですが、様々な外国語を取り扱った「multilingua」という外国語学校もあるようです。授業料は2か月間で7万円ほどだったので「いいかも」と思ったのですがエストニア人向けの学校なので授業がエストニア語かもしれないことを考えると、無難に英語学校に通った方がいいのかもしれません…
もしくは外国人向けエストニア語学校に通うかですね。調べると移民や外国人就労者向けの語学学校がありました。
エストニアは英語が通じるそうなのでエストニア語学習は必ずしも必要ではないかもしれませんが、日常生活で使われているのはエストニア語なので長期滞在するのであれば現地語を理解できるに越したことはないですよね。
フィンランド旅行時の会話は英語を使っていましたが店で何かを買う際フィンランド語の単語が少し分かったおかげで役立ったことがあるので個人的には現地語の理解は大切だと思っています。

エストニアへのイメージ

現状、エストニアへは「街並みが綺麗な国」「ITに力を入れている国」という典型的かつ表層的なイメージしかないです。私は建造物への興味が薄いので「絵本のようなメルヘンな街並み」というタリンの謳い文句に対して心惹かれることはないのですが、後者については関心があります。調べるとソ連からの独立とロシアの脅威が関係していました。

IT国家になった理由

歴史的に大国から度重なる侵略を受けてきたエストニア。1991年のソ連崩壊後にようやく独立した時、荒廃した国家をゼロから立ち直らせる必要がありました。「デジタル変革で電子政府化を実現したエストニア、隠された苦難の歴史と希望の未来」によると、ソ連時代の為政者達が消えた後に残った平均年齢35歳という若い政府の人々が中心となり、資源も無く経済的にも苦しくても国民に行政サービスを行き渡らせられるよう、IT技術によって国のインフラを整備し始めたそうです。
ソ連時代に首都タリンは暗号技術などの軍事研究拠点とされており、ソ連崩壊後はその時の技術者達がエストニアのIT化の基盤を作ったというのですからとてつもないレベルの高さが伺えます。

1990年代後半にはエストニア全土の学校がインターネットに接続され、2000年代に入ると電子納税システムが始まり、議会や署名、教育や医療、選挙投票に至るまであらゆるサービスが次々と電子化されていき今では世界で最も先進的なデジタルサービスを保有するIT国家にまで上り詰めるまでになったそうです。

ただ、隣国ロシアとの関係は良くありません。2007年にはタリン解放者の記念碑撤去の際にロシア系住民が暴動を起こし、ロシアから世界初の大規模サイバー攻撃(DDoS攻撃)を受けてエストニアの議会や省庁、新聞や放送局、銀行といった主要サービスのサイトがアクセス不可になったそうです。詳しくはWikipediaの「エストニアへのサイバー攻撃(英語)」にて。
※DDoS攻撃:Distributed Denial of Service attack
不正に乗っ取った複数のIPアドレスから一気に大量のデータを送り付けてアクセス集中状態を作り出しサーバーをパンクさせる攻撃。攻撃元を特定しにくいためかなり厄介らしいです。


参考ページ:「DoS攻撃・DDoS攻撃の意味と対策方法をわかりやすく解説

その時の経験からエストニアはデジタルセキュリティ意識を強め、NATO(北大西洋条約機構)のサイバーセキュリティ本部を首都タリンに創設することに加えて電子システムにブロックチェーン技術を導入してデータ改竄を防ぐ仕組みを導入したそうです。

また、2014年には電子政府システムを用いて外国人をエストニアの仮想住民にする取り組み「e-Residency」を開始。エストニアに対して好印象を抱く外国人を世界中に増やすことで国際世論の立場からロシアへの抑止力に繋げることが狙いだそうです。

エストニアが「電子国家」に生まれ変わった本当の理由」というインタビュー記事で対談しているe-Residency公式パートナーのEstLynx社CEOの方曰く、金融犯罪歴が無いことに加えてパスポートや100ユーロなどを準備さえすればオンラインでe-residentというエストニアの仮想国民になれるそうです。下図はe-Resindency公式サイト登録者概要ページです。

エストニアe-residencyの登録者数
国別登録者数。日本には3,300人ほどのエストニア電子国民がいるようです(2021/01/23時点)。
エストニアe-residencyの上位15か国
日本からのエストニア電子国民登録者は世界10位、法人登録数は世界14位のようです。トルコやスペインは国民としての登録に対して法人登録数が多いですね。フィンランドはその反対です。
エストニア電子国民の登録性別年齢
e-Residency登録者の年齢と性別分布。男女ともに26~45歳という若い世代が圧倒的に多いです。


実際に居住していない外国人でも電子国民になれるのは行政サービスの全ての手続きを印鑑や紙の書類を用いることなくオンライン上で完結できるシステムを保有しているエストニアだからこそ出来ることだと思います。CEOの方曰く「結婚、離婚、不動産の手続き以外は全部オンラインでできる」というのですからエストニアの電子行政システムがいかに社会全体に浸透しているかが分かります。エストニアにワーキングホリデーに行くなら私も電子国民になろうかな…とすら思い始めました。

エストニアの電子システムについては実際にタリン工科大学に留学中の方が全3回に分けて解説しているこちらのコラム「世界最先端のIT国家、エストニアを知っていますか」が分かりやすいです。

エストニアについて調べてみて思ったこと

ロシアはクリミア半島やウクライナといった周辺地域への侵攻を今も行っていますがエストニアも例に漏れずその脅威を日々受け続けているようです。
ただ、そんな中でも大国ロシアに対して安易に従属姿勢を見せることなく「IT」という目に見えない武器で国防力を高め、世界から一目置かれているエストニアの在り方に感心しました。

エストニアの国旗
エストニアの国旗。青は「空」や「海」「湖沼」、黒は「大地」と「弾圧を受けていた暗黒時代」、白は「雪」や「氷」を意味するそうです。

完全な余談

今日1日中エストニアについて調べていたので台湾でのワーキングホリデーが望み薄であることによる悲しみや焦りよりも「エストニアに行ってみたい」という気持ちの方が強くなりました。
ここまで来ると自分は「切り替えが速いタイプ」もしくは「好奇心旺盛」というよりは単に「拘りがない」だけなのではないかとすら思います。

現状、個人的には台湾への渡航を悲観視しているので「エストニアにワーキングホリデーに行く」という方向に舵を切ろうと思います。

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